最終更新:ID:KAqf1Vuc5w 2020年02月17日(月) 00:24:18履歴
怪我をした師匠に代わりハカバ君が派遣されたのは、モンスターが暮らす「魔界」。ガイドのススキと共にモンスターとコミュニケーションを取りながら旅をする、新人研究者の苦悩と日常をエッセイ風に描いた魔界探索研究コメディ!
読者の知的好奇心を刺激してやまない怪作にして傑作。
「人間の主人公がモンスターの世界である魔界に赴き、学術調査をすることになる」ことが物語の始まりなのだが、魔界の住人は地球人と用いる言語がまるっきり異なることがミソ。
しかもただ単に「日本語も英語も通じない」だけでなく、種族ごとに用いる言語が違い魔界公用語なんてものは無い世界であるのだ。
そんな世界の中で、
- ワーウルフ: 嗅覚が発達しており、音を用いたワーウルフ語と匂いを用いたもう一つの言語を併せ持つ
- スライム: 特異で難解な生態。人語を話すが体の仕組み的に、彼らに聴診器を当てなければ言葉として聞こえない
- リザードマン: 色覚が発達しており、人間とワーウルフではよく分からない文字を使う
- ハーピー: 人間やワーウルフが彼らと話す場合、身振り手振りな体の動作で示す必要がある
などなど一部抜粋しただけでも個性豊かで非常に手強い異種族たちと、知識と推察と知的好奇心だけを武器にコミュニケーションを試みる主人公の奮闘を描いた物語となっている。
緻密な世界観と作り込まれた種族設定、そして常識を斜め上に越えた言語描写。
これは「言葉の通じない二者がなんとかして異文化交流しようとする」展開が好きな者としては、この上なくたまらない作品であるのだが……。
本質的に難解な作品テーマであり、読者側で向き不向きがはっきりと分かれる作品とも言えるだろう。
ヤングエースUPでは(記事執筆時現在)全話閲覧可能。
「ヘテロゲニア リンギスティコ 〜異種族言語学入門〜」|ヤングエースUP
ニコニコ静画では閲覧可能な話が限られるが、コメントでの情報共有は難解描写を読み解く助けになるのでオススメ。
ただし、コメントが荒れてる場合がわりと見受けられる点には注意。
ヘテロゲニア リンギスティコ 〜異種族言語学入門〜 / 瀬野反人 - ニコニコ漫画
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